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健康づくり−元気いっぱい! 生きがい生活

自分でチェックできる目の健康

大阪府医師会理事 中川やよい

「目は心の窓」と昔から言われていますが、実は「目は健康の窓」でもあります。目は「物を見る」ための大切な器官です。したがっていろいろな自覚症状を、早くから自分で確認することができます。いくつかのポイントをお話しします。

目のかすみや視力低下は決まった距離にある、カレンダーや時計などを毎日チェックすることで気付くことができます。ただし目は2つありますので、必ず片目ずつを確認することが重要です。もちろん遠視や近視、乱視などの屈折障害による視力低下のこともあり、眼鏡をかけたり、変更することで良くなることがあります。

しかし、白内障をはじめ眼底出血など多くの目の病気のこともありますので、いつも見えていたものが見えないと感じたら一度眼科を受診することです。

最近、日本人の特に高齢者に緑内障が多いことが問題になっています。緑内障は一般的には眼圧が高いことにより視神経が圧迫されて、非可逆的な視野欠損が起こる病気です。視力低下はかなり病気が進行するまでありませんし、眼圧が少し高いぐらいでは自覚症状もほとんどありません。また、視野欠損は初期にはほとんど自覚できないので、気付いて受診したときにはかなり進行していたということもあります。一度無くなった視野は治療をしても元に戻ることはありません。したがって40歳を過ぎたら、時々眼科で診察を受けて、早期発見することが大切です。

また、視野欠損を自覚できないと言っても、特殊なチェック表を使えばかなり早い時期に自覚することが出来ます。常に意識しておくことが必要です。

その他、加齢黄斑変性症でも方眼紙などを片目ずつ近くで見ることによって、中心の線のゆがみや暗点を早くに自覚することが出来、早期発見につながります。

自分の目は自分で守るつもりで自己チェックを時々はしてみてください。

ジェネリック医薬品とお薬手帳

大阪府薬剤師会理事 菅濱 淳仁

最近、TVコマーシャルで俳優さんたちが「同じ成分、同じ効き目のジェネリック医薬品に変えてもらうと薬代が安くなります!」って宣伝していますね。今年の4月から「後発医薬品変更可」と書かれて処方せん様式が変更になってきています。いったいジェネリック医薬品って何だろう? 安くなるの? 同じ効き目なの?

製薬会社が新しい薬として開発し、特許を取得した薬を「先発医薬品」と言います。長い時間と膨大な費用を費やして開発された薬ですので、他の会社がまねをして作れない特許期間が設定されます。その特許期間が終わって他の会社が製造して発売された薬が「後発医薬品」と呼ばれ、「ジェネリック」という言葉で宣伝しています。「最近出来た薬じゃないの?」って、お尋ねになる患者様も少なからず居られますが、以前から製造され使われています。

「後発医薬品変更可」に医師がサインや押印をした処方せんを持って薬局に行ったら、宣伝通り安くなるのか?…すべての先発医薬品と後発医薬品の価格差が宣伝通りかなり安くなる訳でなく、先発医薬品と価格差が小さい薬もあり、自己負担1割の方はほとんど変わらない事もあります。また、同じ成分でも先発医薬品と適応症に差がある後発医薬品もあり、変更できない時もあります。

詳しくは、薬局の薬剤師が納得出来るまで説明させて頂きますので、皆様の「かかりつけ薬剤師」にご相談ください。

『お薬手帳』

そして肝心なのは、その変更された薬の内容をお医者様に伝える事です。薬局ではどの薬を後発医薬品に変更したか分かりやすく「お薬手帳」やお薬説明書等に記載しますので、必ず受け取り、かかりつけ医にお知らせ下さい。あまり知られていない名前の後発医薬品でも「お薬手帳」等で一目瞭然! その後の診察もスムーズに安全にかかれます。

歯の健康管理 〜かめるということの重要性〜

大阪府歯科医師会理事 津田 高司

日本も本格的な高齢社会を迎え、高齢者の方々にいかにすこやかに長生きをしていただけるかということが、大切なテーマになっております。

特に、食事は単に栄養を取るということだけでなく、生活する上での大きな楽しみの一つであり、そういう意味でもしっかりと物をかめるということはとても大切なことです。また、かむということは、体の健康を保つ上で大変重要であることが知られています。

かむことは、顎を動かす筋肉や舌も使いますので、物を飲み込む力(嚥下機能)の維持に大変重要で、これは、嚥下障害により口の細菌が肺に感染しておこる誤嚥性肺炎の予防にもつながります。

また、最近、唾液分泌量が年齢とともに減少することによる高齢者の口腔乾燥症が多くなっています。口が乾燥することにより、虫歯や歯周病が重症化し、入れ歯の安定性が失われたり、味覚障害を引き起こしたりするのですが、かむことは唾液の分泌を促進し唾液腺の機能を高めるので、このような症状を予防・軽減させる効果があります。

さらに、かむことにより脳の血流量が増加することが知られ、脳の機能維持にも大変重要であるといわれています。

このようにしっかりかめるということは、健康に暮らす上で大変重要な要素です。歯の痛みや動揺でかめない場合は当然ですが、入れ歯を長く使っているうちに徐々にかみにくくなってきたような場合もすぐに歯科医院に受診してください。

現在、特に問題を感じておられない方は、その状態を長く維持するためにかかりつけ歯科医をお持ちになり、定期的な診査と口腔ケアを受ける事が大切です。

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