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健康づくり

人生の後半を生き生きと楽しむために3つの大切なこと

大阪府医師会健康教育委員会副委員長 貴志 敏夫(羽曳野市)

日本海沿岸に記録的な豪雪被害をもたらした厳しい寒波が去り、心待ちにしていた桜のたよりが届く季節になりました。

ところで、人生の後半を生き生きと暮らすためには、3つの大切なことがあると思います。

1つ目は、毎日歩くことです。人間の体は、すぐに楽な状態に慣れるようです。宇宙飛行士が2〜3週間無重力の状態で生活し、地上に帰ってきたところを、テレビのニュースでご覧になったことがあるでしょうか。宇宙カプセルのハッチから自分の力で出てくることができず、他の人達に支えられて出てきていました。宇宙飛行士は、当然ながら身体の丈夫な人です。ところが、たった2〜3週間無重力で過ごしただけで、重力のある世界では、自分の力で立ち上がれない状態になってしまったのです。

また、別の例では、20歳ぐらいの元気な若者に、約1か月間ベッドで寝たままの生活をしてもらうという研究があります。食事もトイレもベッドに横になったままです。すると1か月後には、立ち上がることはおろか、ひとりで座ることもできなくなっているのです。ですから、毎日30分以上(できれば1時間程度)散歩をしてください。心臓は重力に逆らって血液を頭へ送りますし、肺は酸素を取り込もうと大きくふくらみます。足腰は重力に逆らってますます丈夫になります。

2つ目は食事です。バランスの良い食事というのは、和食のような食事です。肉や脂肪の多い洋風の食事はカロリーをとりすぎることが多いようです。食事は楽しみで、ついつい食べ過ぎてしまうものですが、控えめに食べることは、非常に大切です。たいていの方は、ごはんは適量なのですが、おかずの量が問題です。肉や魚といったおかずは、1回の食事に1品に限定したほうが良いでしょう。

3つ目は規則正しい生活です。起床、朝食、昼食、夕食、就寝の5つの時間をまず決めてください。この5つが決まれば、自然と1日の生活は規則正しくなります。生活にリズムができ、昼間十分に体を動かせば、夜もよく眠れるようになります。

人生の後半を生き生きと楽しんでください。

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