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健康づくり

胃をいたわりましょう

大阪府医師会 理事 久禮 三子雄

あけましておめでとうございます。おだやかなお正月をお迎えになられていることでしょうね。新年早々ですが、私からひとつご忠告申し上げます。

お正月は離れている子どもや孫、親類が集まり、おせち料理や、お酒、お餅、甘いものが時間を限らず食卓に並ぶ楽しい数日間です。でも、つい飲み過ぎ食べ過ぎになってしまい、「どうも胃の調子が…」などと、胃腸薬をさがす方も少なくないのではないでしょうか。また、たばこを吸う人は、話が進むうちに1本が2本、3本と増え、お酒好きの人は徳利が並んで二日酔に…ということはありませんか。

「わかっちゃいるけど…」。そうですよね、ここでアドバイスをひとつ。

まず空腹のときの飲酒は避けてください。胃酸分泌を刺激して胃炎や繰り返すと胃潰瘍の原因になります。

また、お酒を飲みながらたばこを吸い続けるのもいけません。ニコチンは胃の入り口の括約筋をゆるめて胃酸の逆流を起こしたり、胃の運動機能を低下させたりして、胸焼けや胃もたれの原因にもなります。

また、寝る前になってインスタントラーメンやカップめんなどを食べるのは避けてください。食物に含まれる成分で脂肪は5〜6時間滞留してしまい、朝まで胃の中にあるというわけです。おなかが空いたら、少々のいもやかぼちゃなど、デンプン質のもので空腹を紛らわせるようにしてください。

そうはいっても、食べたい、飲みたいのが人情。調子がおかしい時には消化薬を服用すると楽になります。また、食事の後しばらくして胃がキリキリ痛んでくるときは胃潰瘍を疑います。「胃潰瘍かな?」と思ったら、やはり医療機関を受診してください。

胃はデリケートな臓器で、飲み過ぎ、食べ過ぎだけではなく精神的なストレスからも胃潰瘍を作る場合があります。長引く場合は市販薬で紛らわせないでお近くのかかりつけ医を受診してください。みなさん、ことし1年どうぞご自分の胃を大切にしてください。

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